FromNicaragua / 雑感(15)

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Date: Thu, 28 May 1998 04:04:00 +0900

 === この国を揺らしている問題 === ===

 途上国の例に洩れず、ここNicaraguaにもいろいろな問題があります。
Managuaに入ってまず目につくのは、道端や空き地に散乱するゴミ。
そして道路状況の悪さ。次に路上で物を販売する人達。小さな子供が
氷水や清涼飲料水の入った袋を売ってるのもよく見かけます。

 麻薬の密輸、大統領一家の公用機の私的利用疑惑、政党首脳の
セクハラ疑惑なんてのもありますが、それより何より、今は
医者のストライキが最も大きな問題となっています。
 なんで医者がストライキをしているかといいますと、、、長いんですが、
一から順を追って説明しましょう。

 そもそもは、この国の経済状態から始まります。途上国の例に洩れず
Nicaraguaもあちこち(経済開発協力銀行や世界銀行など)から借金をしており、
それをなるべく返さずに済むようにいろいろな約束をしなけりゃなりません。
 その約束の中に「なるべく小さな政府にする」「政府の予算を出来るだけ
少なくする」というのがあるそうです。

 で、予算削減で真っ先に対象となるのは、公共投資と福祉関係の予算と
いうのはどこの国でも同じ事。Nicaraguaでは福祉予算の中で医者の給料の
大幅な削減が提示され、それに反発した医者が今年の始め頃からストライキを
行っており、それに同調して学生も暴れている、というのが昨今の状況です。

 コレが結構ひどい話で、給料が一律200ドルだとか。我々協力隊隊員でも
400ドル程度もらっていて、しかも住居費は別途支給されているというのに
人の命を預かる、しかもいろいろと勉強すべきネタも多い医者の給料が
コレでは、ねぇ。。。医者がストライキを起こすのもわかるような気がします。

 400ドルでは何が出来るか、、、たとえばマイアミあたりで学会があったら、
それに参加しただけでお終いですね。

   #    マイアミ往復と1泊で300〜400ドルなんだな。


 しかし、国としてやって行くためには、政府も譲歩できないような
ところまできているようですからね。双方からいろいろな譲歩案が
出ているようですが、今のところは先行き不透明です。

 2週間ほど前には警官隊とデモ隊が衝突して催涙弾の発砲があったりで
かなり騒ぎになりました。先週末にはFSLNという政党(この辺に関しても
また別途説明します)が主体となって大規模なデモが行なわれたのですが、
幸いにしてどちらも死者が出るような事態にはなりませんでした。
 しかし、当面はジタバタしそうな状況です。


                                          おーうち ; 1998/05/25

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