NotePC 電源ジャック部の半田割れ

今回修理品はN社だけど、依頼されるのはF社製品が圧倒的に多い。
構造的欠陥アリ、だと思います>>F社製品;最近のものは対策が
されているみたいですけどね。

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(第1版 2006/05/07)


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 電源が入らないってことで修理依頼のあったNEC製NotePCです。電源ジャック部の半田付けが多数回の抜き差し、あるいは、プラグを差し込んだままで移動したり無理な力がかかったためか、とにかくヒビが入り、それによるスパーク・発熱からコネクタ電極の損耗、最終的に接触不良となり電源が入らなくなった、ってところでしょうか。
 ノートパソコンの電源プラグを差し込んだままで使用・放置・移動しているものにありがちなトラブルです。

 ノートパソコンを移動するときは、電源・USB、それからPCMCIAかーどなど、本体から突出しているものに関しては外してから移動してもらうようにすれば、こういうトラブルは激減するんですけどねぇ。。。


このくらいのホコリなら、まぁご愛嬌。
キーボードも結構すごかった。
Windows98ですから、使用時間が・・・


足の部分の半田が溶けて盛り上がってます。
コネクタの電極もあめ色に変色してます。


拡大してみました。少しボケてますが・・・。

裏側に張られていた絶縁用のビニールシートも
熱で変形しています。

足の部分の拡大。熱でプリント基板の
エポキシが炭化して流れ出したものが
盛り上がって固まってます 。

部品を取り外したあとの穴。
問題のところは、特に半田ごてを
当てることも無く部品の足が抜けました。

別の方向から撮影。穴の中(基板内層)も
炭になってます・・・


電源ジャックの足の部分。よく見ると
足が(おそらくはスパークによる熱で)溶けて細くなっていますが、、、
このあと、この部分から折れてしまいました。


折れた部分は仕方ないのでツギハギします。

反対側から撮影。幸いなことに近辺に
部品未実装のランド(部品用の半田付け部)が
あったので、そこに接続しました。
 

 私の中では、すでに「よくある故障」になってしまった感のあるトラブルです。最近のノートPCではこんなにユルユルの設計(=半田付け部分に外力が直接加わるような構造)はずいぶん少なくなってきたのは、やっぱり市場からの故障フィードバックがきちんと機能しているんでしょうね。

 もちろん、まったくその辺が機能していないダメダメなメーカーも、いまだ厳然と存在しますが・・・(特に名は秘す)。

 ちなみに、この修理だけだと大体1時間くらいで終わるのですが、実際に預かって作業する場合は3時間以上かかります。というのも、たいていは分解と同時にすさまじい量のホコリを取っておかないと組み立てのときに噛み込んだりして動作不良の原因になるし、、外したネジのほとんどについてネジロック剤の再塗布などの作業が加わり、さらに最後の動作確認とかWindowsの調整(いわゆるテンポラリファイルを溜め込みすぎてまともに動かない機体もあるが、これが原因で動かないのに私のせいにされるのはねぇ・・・)、機種によってはバッテリのリフレッシュだのなんだの・・・
 メーカーでもここまでやらんでしょうね。でも、メーカーより修理費は格段に安いです。なんせ、メーカー修理なら間違いなくマザーボード交換3万円コース(下手すりゃ部品入手できず修理不能)ですから。

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