研修所日記(32)

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jueves 19 de febrero

 # 丸田さんによる任国事情説明

 丸田さんってのは、昨年初めまでニカラグアの調整員(*)をやってた人で、
かつ、やたらテンションの高い人 (笑) です。いまは「青年海外協力会」の
九州支部長をやっているそうで、この日も東京から移動して来て明日には
九州だとか。多忙な人です。

    (*)  ニカラグアに駐在して、現地の政府などと派遣要請に関する
        調査や資料作成、あるいは現地隊員と派遣先とでトラブルが
        起きた際の調整役となる人。

 午後の4時間の課業の時間を全部使って、ひたすらニカラグアの国内事情や
職場の事情を話してくれました。私の派遣先に関する「職場調査表」という
派遣のための基礎資料を作ったのも丸田さんで、おかげで派遣先の状況に
関する詳しい説明を聞くことができました。

 ざっとまとめます。

   -  隊員の半分以上がマナグア在住となっている。今後は地方への派遣を
     多くしたい考え。
       *  場合によれば、私の在任中にあちこち地方行脚なんて
         ことが出来るようになるかもしれませんな (^_^) 。
   -  Peace code(アメリカのボランティア組織)からの派遣が結構ある。
       *  こちらはマナグアへの派遣は全くなく、地方都市への派遣ばかりに
         なっているとのこと。隊員への給与はJICAの2/3程度らしい。
   -  マナグアは昨今の人口集中の影響で犯罪が比較的多くなってきている。
     日本と比べれば、まだまだ相対的には少ないんだけど。
   -  昨年1月の大統領交代以降、政府機関の人材の入れ替えが随分と
     行われているらしい。
       *  親族関係を非常に大切にする中南米の人の人柄というか、
         とにかく近親者を自分の周辺に配置したいという人がずいぶんと
         多いようで、そのためにあちこちでトップが代わるとその下も
         順次交代して行くらしい。最終的には「掃除のおばちゃんまで
         代わる」こともあるとか。日本では考えられん現象じゃ (-_-; 。
       *  ともあれ、配属された時にはカウンターパート(*)となるべき人が
         居ないかもしれないという事も十分に考えられるので、自分で
         配属先の人達と人間関係を作り、問題点を見つけ、解決に
         あたるという気持ちが必要。
       *  あるいは、「自分はこういう能力があるから、ここで使ってくれ」
         というプレゼンテーションも必要かも。
   -  語学学習期間を含めて、必ず何度か壁がある。
       *  とにかく乗り越えるしかない。が、それらの壁の多くは
         既にだれか(先輩隊員、あるいは同期隊員、事務所の駐在員など)が
         体験してきた物のはずだから、そういう先輩や知人を訪ねて
         話をしてみる事が大切。話しているうちに問題が解決する事も
         多々ある。。。という体験談。
   -  革命と天災で多くの物が破壊された国である。
       *  心のより所としての教会や神像、墓地を破壊されたり、あるいは
         親兄弟などを亡くした人が非常に多い。
       *  信じるべきもの(神)や人が無く、そのため中南米で1,2位の
         自殺率となっている。
       *  失業率は50%以上。昼間からふらふらしている大人が多く、また、
         家計を助けるための小銭稼ぎをしている子供も多い。
   -  職場へスムーズに溶け込むために。
       1.  笑顔
       2.  挨拶
       3.  勤務時間の遵守
             *  このへんまでは日本でも「当たり前」の事ですな。
       4.  酒に飲まれるな、飲んで他人に寝顔を見せるべからず
             *  「だらしないやつ」という評価が一度付いたら
               挽回はほとんど不可能とのこと。こと酒に関しては
               日本のようなわけには行きません。
       5.  Official Letterを書いて、議論の記録を必ず残す
             *  日付、差出人、受取人、件名、本文、サイン が必須
             *  約束を守るべき根拠を作っておけば、「約束を守らない」と
               言われる中南米の人もきちんとやってくれる。。。らしい (^^; 。
             *  とにかく面倒くさがらずに文書を残して双方に配布し
               合意を取り付けておく事が肝要。
       6.  企画、立案には必ず報告書を残し(←スペイン語で!)、現地に
          残しておく事。
             *  面倒でも、日本語の報告書と同等の量のスペイン語の報告書を
               目標に作成し、スペイン語の堪能な人に内容を確認してもらう。
             *  他の団体との連携活動をする際にもメリットがある。
             *  写真などを多用するとなお良い。
   -  ニカラグアでの機材調達は、ニカラグア国内での購入を第一に。
       *  出来る限り現地の企業にお金を落とすため。
   -  苦労した人の方が報われる。
       *  苦労している人は必ず周囲の人が見ているし、見ている人は
         なんらかの形で助けてくれる。
   -  たかが2年、たった2年。されど2年。
       *  貧しきニカラグアから「経済大国」と奢っているニッポンを見直す
         良い機会になる。


 先日の技術顧問によるぼんやりとした話とは違い、現地・現場を見て来た人の
内容の濃い話だったので、随分と不安が解消された感があります。4時間
ミッチリ、居眠りするヒマも無しに話を聞いて、講座の後、ロビーで
他の職員を待っている所を捕まえてさらに話を聞いて、、、満足 (^_^) 。

 上記の他にももっともっといろいろな話を聞いたのですが、それはまた
追い追い現地からのレポートの中に現れてくる事でしょうから、ここでは割愛。

 電子メールアドレスも教えてもらったので、さらにいろいろと話を
聞く事も出来そうです。


                                           おーうち

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