FromNicaragua / 雑感(18)

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Date: Mon, 15 Jun 1998 01:24:00 +0900

 === ちょっと古い === ===

 JICAの事務所に併設されている隊員連絡所には「あまり来るな」と
いう事だし、市内在住の他の隊員と会う事も滅多に無いので、
なんとなく日本語が恋しくなるとMDを引っ張り出して聞いてます。
二年くらい前から録り溜めたのを全部 (笑) 持って来たので不自由は
しないんですが、なんせちょっと古い。けど、そういえばこの曲を
良く聞いてた頃にはあんなことがあったなぁなんて思い出しながら
聞いてます。

 てなわけで、ただいまのBGMは沢田研二の「ダーリング」、
ピンクレディーの「サウスポー」、西城秀樹の「傷だらけのローラ」 (爆笑) 。

 な〜んでこんな曲が入ってるんだか。。。

 === IBWの技術力 === ===

 ニカラグアの大手ISP(Internet Service Provider)であるIBWですが、
サーバー(UNIX)の管理に関してはザルと言っても過言じゃないです (-_-; 。
一般ユーザー向けのshellは開放してないんだけど、/tmp にファイルを
置いて実行パーミッションを付けたり、 /etc/passwd を引っ張って来たり
出来るもんな。
 他にも、今時、北米やヨーロッパ、日本のプロバイダのどこも
残してないような穴がボコボコ開いてます。 sendmailも古いみたいだし。

 まぁ、「これもNicaragua」ですけど。。。ibwのメールアカウントは
使わない事にしよう。

 ちなみに、引っ張って来た(← しちゃいかんとわかっててもやってしまう、
技術者の性(サガ)ってやつですな (^^; ) /etc/passwd でザッとカウントした
ところでは、ユーザ数はおよそ3,000人でした。

 === かるね で らた === ===

 先日、同僚たちと昼飯を食べに行った帰りに、不意に「日本人はドブ鼠
(ラタ)を食べるのか?」と聞かれました。質問の意味がよくわからなかったので
何度か聞き直して、何かの冗談だろ、食べないよみたいな感じで答えたら
何やらニヤニヤ笑っていたんですが、、、

 後日、中国語と日本語の発音の違いの話しになって、そこで「中国人の
発音では、缶詰とドブ鼠が同じになってしまう」という話題になり、
さらに聞いたら「日本人はちゃんと『缶詰の肉(carne de lata;
カルネ デ ラタ)』と言えるけど、中国人は "r" の発音が苦手で、
どうしても『ドブ鼠の肉(carne de rata)』になる」という説明があり、
ここで、あぁ、なるほど、ということになったわけです。

 まったく、タチの悪い冗談(broma;ブロマ または chiste;チステ)だ (-_^; 。

 === 危険物取扱注意 === ===

 打とうとすると噛付くボールって言うのを、何かの漫画で見た事があるように
思うのですが、ここにはもっと恐い(というか、危険な)ボールがあるそうで。

 内戦終結から四半世紀もたってないNicaraguaでは、回収が結構進んで
いるとは言われているけれど、それでも巷に武器弾薬が溢れてるし、
そういうものがあるのが当たり前の風景になってます。

 正規の方面で言えば、JICA事務所の警備員は35口径のリボルバーを腰に
ぶら下げてるし、銀行の警備員はと言うと、大抵はごっつい体つきの
いかにも恐ものておっちゃんが二人以上、入口の脇にショートバレル
(短銃身)のショットガンを抱えて座ってますからね。
 日本の警備員を見慣れた目には、当初かなり異様な光景に映りました。

    #    今じゃすっかり「当たり前」ですが…… 慣れってのは恐ろしい。

 そして、問題なのが回収されずに裏ルートで流通してる武器弾薬と、
これまた回収されていない地雷です。


 酒に酔った勢いで機関銃を空に向けて乱射する人が未だに時々いるそうです。
で、乱射された弾丸はそのままどこかに(発射された時と大して変わらない
速度で)落ちて来ます。そして、車や建物、タイミングが悪けりゃ人に
直接当たります。良くて入院沙汰、悪けりゃ死にます。でも、大抵は
犯人はわからずじまいです。
 クリスマスから年末年始にかけて、特に夜間は酔っぱらいや強盗も
多いし、発砲沙汰も多々あるので、事務所から「夜間は外出するな」という
お達しが出る場合もあるそうです。


 北部山岳地帯、ホンデュラスとの国境線近くの地域には、今でも
大量の地雷が埋まっているし、革命軍崩れの野党が出るという事もあって
日本人は立ち入りが禁止されてます。もちろん、地元の人も滅多な事が
ないとこの辺には近づきません。
   #   ちなみに、先日の生首写真の記事のねたになった事件は
   #   このあたりで発生しました。

 で、このあたりで山の中に入って薪を拾ってたりした人が今でも時々
地雷を踏んで手足を亡くしたり死んだりしてるそうです。


 丸い物を見つけるとそれを芯にして布でくるんで野球のボールにしてる
子供がいるのはいいのですが、時々その「芯」が倉庫の奥の方に残ってた
手留弾で、ホームラン級のアタリで爆発したり、ファールが隣の
家の中で爆発したり……。運が良けりゃ物損だけですが、大抵は怪我人や
死人が出ます。 さすがにこういう事件は最近は無いようですが。

 でも、爆弾テロは時々あるようです。

 
 何にしても、日本にはない「危険がいっぱい」の国です。そういえば、
SanMarcosの下宿で、隣の部屋のドクトルに「拳銃撃ってみるか?」って
言われたんだよなぁ。。。一度くらい、話しのタネに撃ってみても
よかったかな。

 === 危険地帯突入 === ===

 土曜日、バックパックにデジカメと一緒にフィルムカメラとタオルも入れ、
写真を撮りながら炎天下を10kmほど歩いて郵便局と金物屋と協力隊の
事務所に行って、、、帰ってきたときにはTシャツが塩を吹いてるし、
そのTシャツからはみ出してた腕や首は真っ赤になってました (^^; 。
 雨季とはいっても、曇りがちで午後から夜にかけてスコールが降るって
感じの季節で晴れてる時の日差しは乾季と変わらないか、あるいは雨で
大気中のチリやホコリが少ない分強いくらいのようです。気を抜いてると
偉い目に日焼けしてシャワーも浴びられなくなったりします。

 で、この散歩(と言うのか?)の途中で、Managuaの危険地帯の一つに数えられる
Mercado Oriental(メルカド オリエンタル;外国市場、とでも訳しますかね)に
まるで狙ったかのごとく道を間違えて (苦笑) 突入してしまいました。

 ここMercado Oriental、巷ではタクシーから降りようとした人がいきなり
バッグをひったくられそうになったとか、スリにあったとかいう噂が
後を断たないのですが、入り込んでみればここもやっぱりこちらの市場だし、
活気という点だけで見れば、他の市場よりもはるかにテンションが高い
感じでした。でも、、、やっぱペリグロッソ(危険)なニオイはぬぐえません。

 あちこち見たいところもあったんだけど、バッグの中のカメラが結構
気になったので、早々に退散しました。なんせ、ものの入ったバッグを見ると
「何を売りたいんだ?」と聞かれるような場所ですからね (^^; 。
 さすがは「輸入品から盗品まで、何でもありのMercado Oriental」です。

 ともあれ、見るべきところ(電気関係の物資を扱ってる店の場所)は
見たので結構満足。無線用のアンテナを作るための資材とかは、
大抵ここで揃いそうです。

 郵便局へいく途中で、Fujifilmのラボも見つけました。ここNicaraguaでは
KodakとAGFAが優勢でFujifilmのラボはほとんど見掛けなかったんですが、
これで日本から持って来たポジ(スライド)フィルム(いまカメラに入れて
撮影中)を処理してもらう目処がつきました。

 === 写真を撮ってると === ===

 帰り道、写真を撮ってると、

   1.   「この辺の通りは泥棒(ひったくり?)が出るから、注意しなさいよ」と
        忠告してくれたおばさん一名。
   2.   新聞記者と勘違いして、日頃の不満をまくしたててくれたおじさん一名。

 目立つ行動・格好をしてると、いろんな事があります (苦笑) 。


                                          おーうち ; 1998/06/13

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